日本工芸会近畿支部会員紹介

住谷 考蔵すみたに こうぞう [分野]木竹工

私の木工芸との出会いは「将棋」でした。
趣味の将棋駒づくりに始まり、2008年に専門学校に入学し京指物を学びました。

卒業後入社した会社で木工職人として働きながら夜な夜な制作活動を行い、伝統工芸展への出品を始めました。

指物の見どころ

指物(さしもの)とは木工芸の技法のひとつで、板と板同士を仕口や組手と呼ばれる凹凸をさし合わせて組み立てる技法のことです。接着剤や金釘より強固で長持ちする技法として古来から用いられてきました。

組手の形は多岐に渡りますが、工芸に用いる組手のほぼ全ては組みあがった作品の内側に隠れてしまいます。強度以外に組みあがった後の美しさにもこだわった日本らしい感性かもしれません。

硬くなりやすい指物を柔らかく

指物は「組む」という技法の制約上どうしても直線・直角で構成されて硬い印象になりやすいです。

私は組手に破綻が無いよう気を配りながら、作品を曲面で構成したり、膨らみを持たせた作品づくりにも取り組んでいます。今後も指物の広がりを意識した作品作りをしていきたいと考えています。

作品紹介

  • タモ拭漆六角箱「Metamorphose」
  • タモ拭漆六角箱「Metamorphose」内部
  • 将棋駒
  • 島桑隅切印籠駒箱
  • 第61期王位戦第4局(木村ー藤井聡太戦)にて使用されました

プロフィール

1989
大阪府 出身
2012
京都伝統工芸大学校 高度専門課程 木工芸専攻 卒業
2013
第42回日本伝統工芸近畿展 初入選(新人奨励賞)
2015
第62回日本伝統工芸展 初入選
2018
京都府亀岡市にて工房開設
2020
日本工芸会 正会員 認定

受賞歴

2013
第42回日本伝統工芸近畿展 新人奨励賞
2014
第43回日本伝統工芸近畿展 日本工芸会近畿支部長賞

工房情報

工房名
木工芸 住谷
WEBサイト
https://sumi-76fu.com
住所
〒621-0021
京都府亀岡市曽我部町重利山ノ下4-2
お問い合わせ先
info@sumi-76fu.com