日本工芸会近畿支部会員紹介

角谷圭二郎かくたに けいじろう [分野]金工

<創業135年 昔ながらの技法で新しい感覚の作品を>
角谷一圭工房は明治18年から大阪の地で鉄瓶や茶釜、花器などの鋳物製品の制作を行っております。工房名の角谷一圭は、昭和53年に重要無形文化財(茶の湯釜)保持者に認定された二代目の名で、現在は三代征一、四代圭二郎が日々作品制作に励んでいます。
茶道具としての茶釜・花器などの一点ものや、日常生活に結びついた新しいおもてなしの道具としての鉄瓶、錫小物作品の制作・販売をしています。

ー時代に合った新しい独自の作風をー

茶席において重要な位置を占める茶の湯釜。単にお湯を沸かす道具でありながら、多様な形態の芸術性、そして静かな茶席に流れる「松風」の音を楽しむ。茶の湯釜の魅力はここにあると言えます。
芦屋系、天命系、京釜系の三つの大きな系統がある中、それらを踏まえて、現代性のある独自の発想による新鮮且つ、格調高い作品づくりを念頭に日々の創作に励んでまいります。

ー鋳造工程のクライマックスー

鋳型に溶かした金属を流し込む工程を「吹き」と呼びます。不純物の少ないピッチ・コークスを燃料とし、3時間ほどの加熱で溶解します。溶けた鉄を「湯」と言い、1400℃の高温になると湯が白熱し、湯面がルツボの中で激しく波を打ちます。これを「湯が走る」とたとえ、鋳込みに最適な状態と言えます。
鋳込みの直前、ルツボに藁灰を投げ入れるのは湯の保温と同時に不純物を吸着させて鋳型内への流入を防ぐ為であります。引き上げたルツボは金柄杓で受け止め、速やかに鋳型の湯口に注ぎ込み、湯口に溢れた湯は鋳型を傾けて移し出します。遅すぎず、早すぎず、湯の色の変化を見ながら一瞬の判断で行わなければならない非常に緊迫感のある作業と言えるでしょう。

作品紹介

  • 筋文鉄瓶
  • 無地鉄瓶
  • 錫ちろり ぐい呑み類セット

プロフィール

1976
大阪市東成区に生まれる
1999
近畿大学商経学部経済学科卒業
2006
父、征一に師事
所属
日本工芸会 正会員
日本工芸会近畿支部 常任幹事
日本工芸会第4部金工部会 幹事
大阪工芸協会 理事
東大阪工芸協会 理事
アートフェスタ東成実行委員会 委員長
表千家大阪青年部 副部長
近畿大学文化会陶芸部つちの会 会長
TV
関西テレビ「よーいどん」出演 2020年 「角谷一圭工房」隣の人間国宝 認定 ABC朝日放送「ココイロ」出演 2018年 ABC朝日放送「一志相伝」出演 2020年

受賞歴

2012
第41回日本伝統工芸近畿展 松下幸之助記念賞
2014
第56回大阪工芸展 大阪府知事賞
2015
第57回大阪工芸展 NHK大阪放送局長賞
2016
第45回伝統工芸日本金工展 日本工芸会賞
2017
第46回伝統工芸日本金工展 宗桂会賞
2018
第52回東大阪工芸展 東大阪市長賞
2020
第49回日本伝統工芸近畿展 日本工芸会近畿支部長賞

工房情報

工房名
角谷一圭工房 株式会社
住所
〒577-0067
大阪府東大阪市高井田西2-7-6
お問い合わせ先
06-6782-3377